退院当日

大学病院から退院された新規のご利用者様。

ゆずり葉ではできる限り退院当日にお顔を見に伺うようにしています。

というのも退院してすぐの自宅での様子を知ることで、これからの暮らしのサポートについて本人や家族と話しながら、お互いに1つずつ確認していくことができるからです。

今回伺ったのは右肺癌末期の男性。

奥様と二人暮らしで、自宅に帰ってきて見慣れた景色を窓から眺めて満足そうです。

病院から戻ってきて、昼過ぎに訪問すると体調も安定していて色々お話ししてくださいました。

安心して訪問を終え、夕方ステーションで仕事していると奥様から

「全身が震えてて、止まらないの!」

と緊急コール。すぐに訪問すると、39度近い熱が出ていました。

呼吸も荒く苦しそうです。

退院後は在宅酸素の指示があり鼻から1〜2リットルで対応するように、とのことでしたが、動脈血酸素飽和度は70%台まで低下。呼びかけても意識がなく、痰が絡んでいます。

訪問診療の医師は週明けを初回訪問の予定にしていましたが、すぐに先生に連絡して緊急で来ていただくよう依頼しました。

酸素の業者にも同時に連絡し、マスクと、7リットルMAXの機械に変更してもらうよう調整。

先生から連絡がいき、薬局の方が薬を持ってきてくれました。

続々と自宅に集結し、各々が仕事をしていきます。

酸素流量を上げ、点滴をし、安楽な体位を整え、吸引器を設置。

座薬で解熱剤を使用し、経過を見ていると呼吸が落ち着いてきました。

私は中抜けし、近くの薬局に必要なものを買いに。

奥様に夜間の対応について、時間ごとに何をしていただくかを紙に書いて説明します。

「わからないことや不安なことがあったら、いつでも連絡くださいね」

とお伝えし、退室。

夜間は電話が鳴ることはなく、翌朝様子を聞くために連絡すると、

「熱は下がりました。本人も朝ごはん少し食べました」とのこと。

良かった!

午前中に訪問すると酸素マスクから鼻のチューブに変えて、ベッドでテレビを見ていました。

昨日は大変でしたねぇ、と声をかけると…

「なんかあったか?なんも覚えてねぇ」

と。奥様もホッとして笑顔。

「元気になってくだされば、それでいいんですよ」

と言ったら、あぁそうか、と。

急変時は一瞬病院に戻ろうか、と頭をよぎったけど治ってくれて本当に良かった。

点滴が5日間の指示だったけど、口から食べられるので、先生と話して内服治療に切り替えます。

余計な医療行為はしないのがいい!

点滴をするなら私たちが毎日行くことになるけど、内服なら専門職が来なくてもできますからね。

せっかく自宅に帰ってきたんだから、奥様と飼いインコちゃんとのんびり過ごしてもらいたい。

在宅の場は、時にICUにもなり、時に浴室になったり、リハビリルームになったりするけれど、

すぐに《家》に戻すこともできる。これって結構すごいことだな。

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